【書評】薬物依存症の日々

書評

「薬物依存症の日々」は、プロ野球選手であった清原和博さんが、覚醒剤の使用で逮捕されてから執行猶予が解けるまでの期間を綴った手記です。2020年6月に刊行された単行本が文庫化されました。この本を読んで、清原さんの苦悩と希望に心を打たれました。

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清原さんの来歴

清原さんは、甲子園でホームランバッターとして大活躍し、ドラフト1位で西武ライオンズに入団しました。その後、FAを取得し読売ジャイアンツに入団し、巨人を退団後オリックスでプレイし現役を引退しました。しかし、引退後に薬物に手を染めてしまい、奥さんとも離婚し、薬物に汚染されていく状態になってしまいました。2016年2月に逮捕され衝撃を世間に与えました。

逮捕されてからの薬物依存症との闘い

逮捕されてからは、うつ病との戦いやアルコールとの付き合い方などもあり、社会復帰に向けて立ち向かっている姿が描かれています。リハビリやカウンセリングなどを通じて必死に前に進んでいく清原さんですが、死にたいという願望も浮かんできたそうです。薬物依存症とうつ病はコインの表裏のような関係だと言います。覚醒剤によって感情まで失ってしまった清原さんは、助けてくれた友人が亡くなった時にも涙が出てこなかったそうです。

清原さんの夢

そんな清原さんには今夢があります。高校野球の監督になりたいという思いがあるそうです。これからの清原さんの活躍に注目したいですね。

この本では、甲子園で使った金属バットが清原さんの手元に戻ってきたことや、両親との思い出、離婚した妻と子供たちとのふれあいなども綴られています。野球教室のイベントに参加した時には、どの球団からもユニフォームの使用許可がおりず、オリジナルのユニフォームを着て出演したそうです。現役時代の先輩後輩たちからも励まされたそうです。

感想

この本は、清原さんの人生を赤裸々に語ったものであり、薬物依存症やうつ病という深刻な問題に向き合っている人々に勇気や希望を与えることができると思います。清原さんは、「薬物依存を治す薬はありません。薬物依存症は治ることはない病気です。しかし回復することはできます。」と医者からも言われたようです。今後の清原さんの回復を応援したいと思います。

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